アスパラギン酸の場合-02
独立にそれぞれの基の解離を考える.
アミノ基,カルボキシル基の状態を考えると,
NH+ | COOH | COOH | |
pK | 1.88 | 3.65 | 9.6 |
数 | 1 | 1 | 1 |
イオン化 | +1 | -1 | -1 |
となりますので,これらのイオン化される割合が等しくなればいいのです.
各反応基のイオン化される割合は,先ほどの説明のように,
\(\Large \frac{ [A^{-}]}{[A^{-}]+[HA]} = \frac{ 1}{1+10^{pK-pH}} \)
\(\Large \frac{ [HA^{+}]}{[HA^{+}]+[A]} = \frac{ 1}{1+10^{pH-pK}} \)
となりますので,
\(\Large \frac{1}{1+10^{pH-1.88}} = \frac{1}{1+10^{3.65-pH}} + \frac{1}{1+10^{9.6-pH}} \)
を解けばいいのですが....全ページと同様に大変な計算なので,Mathematicaを使うと,
pH = 2.765
となり,前ページの結果と一致します.
Mathematicaでの解法
Mathematicaにおいては,
Solve[1/(1 + 10^(pH-1.88)) - 1/(1 + 10^(3.65-pH)) -1/(1 + 10^( 9.6-pH)) == 0, pH, Reals]
でpHが計算できます.
Wolfram Alphaでの解法
Wolfram AlphaはMathematicaと同じメーカーですが,無料でいろいろな計算を行ってくれます.
1/(1 + 10^(x-1.88)) - 1/(1 + 10^(3.65-x)) -1/(1 + 10^( 9.6-x)) = 0
と打ち込むとpHが出てきます.
次に,近似について説明します.